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    entertainment_novel
    1: 2019/08/12(月) 01:05:55.049 ID:YNVMpV7p0
    夏も八月に入り、本格的な暑さが東京を覆いつつある。

    こんな日は軽井沢の別荘にでも行って釣りでも楽しむか。

    そんな別荘があればの話だが。


    おれはキャスターつきの椅子に座りながら、スチールデスクのうえに足を乗せ、週刊誌を読んでいた。

    暇を持て余した昼さがり、ゆっくりと一ページずつ読んでは睡魔の訪れを待ちわびていたが、まんじりともできずに読み終えてしまった。

    今日ははずれか……。

    呟きながら週刊誌をデスクに放り、後ろのブラインドの隙間から窓外を覗く。

    先ほどまではビル群をはるか上空から照らしていた太陽が、徐々にビルの陰に沈んでゆくのがみえる。

    夕暮れの訪れとはこんなにも早いものだったのか。

    いや、ここは週刊誌が暇つぶしとしての役割をしっかり果たしてくれたのだと褒めるべきだろう。

    そんなことを思いながら、おれはデスクのうえに置かれたサイダーの500ml缶を手に取った。

    右手で缶を握り、左手でプルタブを倒す。

    わずかに炭酸の抜けるこころよい音が室内に響く。

    飲み口を口に運び液体をゆっくりとのどに流し込む。

    炭酸の刺激がひりひりとのどを通過し胃に染み渡るのを感じる。

    傍らに置いた扇風機は生ぬるい風を吹きつけてくるだけで用をなさない。

    そのため、涼をとる方法が冷えたドリンクを飲む以外にないのだ。

    居抜きで設置されていた古いエアコンは、効きが悪く、無駄に電力を消費するだけのがらくたとして老醜をさらしている。

    最新のエアコンは機能がよく電気代もくわないとのことだが、今だに購入のめどはたっていない。

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